■テケリ・リができるまで

8月12日に開催されたコミックマーケット68でサークル名「こんてぃにゅう」として、 創作ゲームを販売しました。
今回、私が作った「テケリ・リ」は印刷を印刷会社に頼みました。 その製作過程を書きたいと思います。

■きっかけ(2003年3月初旬)
友人と「ゴーストハンターボードゲーム」を遊び、このゲームからクトゥルフとトリックティキングゲームの融合を思いつきました。 そして「テケリ・リ」のプロトタイプ作成を開始しました。このときに目指したゲームコンセプトは以下のとおりです。

@キャンセルの要素を入れる
グループSNEの安田均氏が「大勢集まったらキャンセレーションブラックレディが面白い」と何かの本の中でおっしゃており、 10人くらい集まったときにブラックレディキャンセレーションを遊んでみました。
「頼む、誰か助けて〜」とか「キャンセルしてくれてありがとう〜」などとゲーム中の会話が盛り上がり、非常に面白かったです。
しかし、このゲームはトランプを2箱使うゲームなので10人近くいないとできませんし、小さい数でキャンセルを起こしてもあまり面白くありません。 ということで、プレイ人数が少なくてもキャンセルが楽しめるゲームを作ろうと考えました。
Aスコアリングシステムを簡単にする(鉛筆を使わない)
トリックティキングゲームは好きなのですが、得点を計算するために鉛筆とメモが必要なのが面倒で嫌でした。
そこで100点ごとにマーカーを獲得するメカニズムを採用しました。 「端数切り捨て」は「時間の経過により狂気が冷める」と理由をこじつけました。
B派手にする
「銀のタロット」の「ひいてはいけないカード」が好きでした。 このカードを引いた時は、とにかくマイナス点の要素が多く、混沌とした中でゲームが進みます。
ただ、問題なのは点数計算が面倒くさいことでした。 点数計算を簡潔にし、さらに混沌としたゲームとするため、異形のモノたちを8体も登場させることにしました。

■テストプレイ(2003年4〜11月)
ナクト邸や友人とのゲーム会でテストプレイを重ねました。
このテストプレイでカード構成や、キャンセル時の押し出しのルール、イベントカードの決定などを行いました。 おもちゃ箱のメンバに感謝です。

■お蔵入り(2003年〜2004年)
このゲームを何らかの形で公開したかったのですが、クトゥルフをテーマにしているため、 イラストがないと面白さが半減します。 また、クトゥルフ以外のテーマでこのゲームを作り直すことは私の中では考えられませんでした。 そのため、「テケリ・リ」は1年以上お蔵入りとなってしまいました。

■再始動(2005年5月初旬)
ゲームマーケットで販売した「エルスミーア」などのイラストレイターさんと知り合いになり、 アサダレイナさんにイラストを描いてもらえることとなりました。
最初はA4から16枚のカードを切り出し、インクジェットプリンタで印刷することを考えていましたが、 せっかくきれいなイラストを描いていただけることになったので、絵を大きくし、オフセット印刷を行うことにしました。 イラストレイターさんに気持ちよく仕事していただくために、「自由にやってください」とカード全体のデザイン、 裏面のデザインもトータルでお願いしました。
(裏面はショゴスの生みの親である「古のもの」を意識して星がかたどられています。アサダさんのアイデアです。 ちなみにテケリ・リはショゴスの鳴き声です)。

■最終調整(2005年5月下旬)
イラストを発注した後だったのですが、もう一度イベントカードの内容を見直し、 効果を変更しました。
以前は「日記帳」というカードがあったのですが、「ネクロノミコン(魔道書)」のカードにしました。 理由はイラストの変更がほとんどいらないからです。このころは「何か良いイベントはないかなぁ」と ずっと考えていました。

■印刷所探し(2005年6月初旬)
色々な印刷所をwebで探しました。
『オーバルトリック』などのゲームを販売している「グラパックジャパン」さんの 本業が印刷屋さんであることを思い出し、見積もりをもらいました。 が、小ロットでは全然値段が折り合いませんでした。
結局は遊兎理さんに教えていただいたポプルスさんに決めました。

■ポプルスさんからの見積もり(2005年6月中旬)
ポプルスさんから見積もりを取りました。
お気楽カードセット、54×86mmのテレカサイズ2パターン、角丸ヌキ加工つきです。表面加工は特にしていません。
ポプルスさんの料金表はこちら
角丸加工代が印刷代の約3分の1を占めます。 かなり、迷いましたが「カードの角が痛いからあのゲームは遊ばない」と言われるのがイヤだったので、 角丸加工はしてもらいました。
100部単位での注文というのが、かなりの決断力を要求されます。

■印刷所との打ち合わせ(2005年6月25日)
立川にてポプルスさんと打ち合わせです。
カードの厚さや質などを確かめたかったので、直接営業所の方へ行きました。 細かい修正点を指摘してもらったり、リンク割引(ホームページにリンクを張るとちょっと安く してもらえる)の話などを伺うことができました。

■入稿(2005年7月5日)
アサダさんから原稿があがり、FTPで入稿しました。

■色校(2005年7月15日)
色校がポプルスさんからあがり、その結果をポプルスさんに連絡しました。
カードの薄さが気になったので相談したところ、追加料金を払って紙変更をしてもらうことにしました。
アート160K→アート240Kへ変更しました。

■印刷完了(2005年7月24日)
印刷が完了し、すべてのカードが送られてきました。
袋詰めはすべて手作業です。家族総出で袋詰め作業を行いました。

■コミケ当日(2005年8月12日)
テーマがクトゥルフということもあり、多くの人に興味をもっていただけたようで、 「このゲームはどういうルールなんですか?」と何度も声をかけていただきました。 お客様との会話はとても楽しいものでした。
コミケでご購入いただいた皆様ありがとうございました。 この場を借りてお礼申し上げます。

■バネストさんでの取り扱い開始(2005年8月下旬)
売れ残ったゲームをゲームストア・バネストさんで取り扱っていただけることになりました。 こうしたゲームショップの存在は、非常に心強いです。
中野さん、これからもよろしくお願いします。

こうして振り返ってみますと、今回のゲームもやはり多くの人に支えられてできたんだなぁ。 と実感します。みなさま、本当にありがとうございました。