〜エッセイ〜

■ゲームマーケット2005レポート さとーの視点から

3月27日に開催されたゲームマーケット2005に「ボードゲームのおもちゃ箱」として、 白紙、せりあど、鷹村、偽、りんちゅ、さとーの6人が参加しました。
このイベントに向けて、私が作った「朝まで総選挙」をどのように準備してきたかについて ドキュメントに残そうと思います。

■きっかけ
「朝まで総選挙」を作るきっかけはいくつかありました。
2002年にはじめてりんちゅさんと話をしたときに「日本を舞台にしたゲームって少ないね」と話していたことや、 2004年5月頃のたかのさんの日記に「エレクションX」の話題が出てきたこと、 2004年6月に参議院選挙が行われたことが引き金になりました。
ゲーム作成のアイデアは色んなところに落ちているものです。

■リサーチ(2004年5月上旬)
このゲームを作るにあたり、まず最初にしたことは日本の人口を調べることでした。
日本の選挙には「一票の格差」という問題があり、どれくらい人口に偏りがあるんだろうと、 興味本位で調べてみました。
調べてみてわかったのが、「結構(ゲームとしての)バランス取れてんじゃん」ということでした。
関東を取れば大方の雌雄は決するが、名古屋、大阪をおろそかにしてはいけない。 仙台、福岡も馬鹿にはできない。という構図が目に浮かびました。 「これはゲームにしやすいぞ」と思った瞬間でした。
必然というべきか、偶然というべきか。ゲームを作る前から、ゲームバランスが取れていたわけです。

■プロトタイプ作成(2004年5月下旬)
目指したのは「1時間以内に終わる選挙ゲーム」「日本が舞台」 「説明文をカードに書かない(特殊カードを使わない)」「競りはしない」 「最後まで逆転のチャンスがある」 「やるべきことが明確でゲーム初心者でも迷わない」「運の要素も結構ある」 というゲームでした。

運の要素を入れたいと考えているときに、無党派層という言葉を思い出しました。 この言葉は「ハイスクールエレクション」を遊んだときに印象に残った言葉でした。
そこで、無党派層をマスコミに対する影響力で表すことを思いつきました。 また、日本の投票率は50%なので無党派層のうち、半分は棄権票となるようにバランスをとりました。

これでゲームの骨格はほぼ決まりです。
ボードとカードはA4の紙(ITOYA HYPER LASER COPY 250g/m2)にインクジェットプリンタで作成し、 コマはエルグランデのコマを使いました。

ゲームができたので、早速puppiさん宅でテストプレイをしました。
ちなみに「朝まで総選挙」という名前がついたのはこの時です。(タナカマさん多謝!)。 その前までは「ザ選挙」とか「選挙ゲーム」という名前で呼んでました。
その後、おもちゃ箱のメンバーにルールを送り、いろいろと指摘してもらいました。

■テストプレイ(2004年8月)
神戸から私の友人が遊びに来ていたので、「朝まで総選挙」を遊び意見を求めました。
この頃はスキャンダルカードなどの特殊カードがあったので、 「裏金とか、闇献金とか、袖の下とか、もっと派手にしたいね」という意見が出てきました。 いろいろと検討してみましたが、私はクニチーやシャハトのようなシンプルなゲームが好きなので、 イベントカードを多用する方向性は目指さないことにしました。
ただ、一度作り終わると満足してしまうのが私の性格で、この後「朝まで総選挙」は一時お蔵入りしてしまいました。

■再始動(2004年11月)
「関東周辺素人ボードゲーマーNo.1決定戦」が終わった直後から 「次はゲームマーケットだね」という言葉がささやかれるようになりました。
今回はおもちゃ箱のメンバ全員がゲームを販売するという壮大な計画を立てていたので、 何かを作らなければいけない状況に追い込まれていきます。
でも、まだまだ4ヶ月以上もあります。

■企業ブースに出展決定(2004年12月)
気づいたら、ゲームマーケットまであと3ヶ月。月日が経つのは早いものです。
新作を考える余裕などなくなり、夏に作った「朝まで総選挙」をブラッシュアップして 売り出そうと考えました。もう寒くなってきたので、こたつに入りながらこつこつとテストプレイを続けていました。
この頃、ゲームマーケットの企業ブースに出展することが決定しました。
というか、気づいたら決定していました。 こうなった以上、不退転の覚悟で挑まなければなりません。

■鷹村さん宅ゲーム会(2005年1月3日)
鷹村さん宅でテストプレイをしました。
やはり、対人で遊ぶといろいろな意見が出てきます。 このテストプレイでは得点方法や、点数のバランスなどに対して貴重な意見をいただきました。
ゲームを作るときは人の意見を素直に聞く必要があります。ただ、ゲームの方向性を見失わないよう 自分のポリシーはしっかりと持っていなければなりません。

■量産準備(2005年1月下旬)
コンポーネントをいくつ作るか考えました。
多すぎて在庫を抱えるのも悲しいし、少なすぎても手間がかかるだけだし。 ということで色々悩んだ末、20〜30個を作ることにしました。 必要な材料はキューブが約2000個、カード・ボード用の紙が約80枚、 チャックつきの透明袋大24枚、小24枚。投票用の紙袋24枚です。
キューブはアメリカ(http://www.highhopes.com/safe-t.html)から購入することにしました。 送料抜きで1個約2.5円です。安いお店から買うことで、だいぶコストを抑えることができました。 購入先を教えてくれたpuppiさんに感謝です。

■puppiさん宅ゲーム会(2005年1月29日)
puppiさん宅でテストプレイです。
まとまってはいるのですが、どうもこじんまりとしている感じがします。
ゲーム後にPHYさんから「2ラウンド制はどうでしょう」「同時入札のルールでも面白いのでは」 という意見をいただきました。 2つとも考えていたルールなのですが、2ラウンド制を導入すると「王と枢機卿」に似てくるし、 同時入札のルールを入れると「エルグランデ」に似てくるし。とちょっと避けていたルールでした。 ただ、自分でも淡白なゲーム展開に物足りなさを感じていたので、 PHYさんの意見を参考に、ルールを大きく変えることを決心しました。

■藤沢ボードゲームサークル(2005年2月13日)
「王と枢機卿」との違いを出すために、コマの移動ルールを作っていたのですが、 あまり機能していませんでした。 このときのテストプレイで「移動のルールは要らないんじゃないですか」という意見を受け、 思い切ってルールを単純化しました。
結局、このときの案を採用して、ルールがほぼ固まりました。

■量産開始(2005年2月下旬)
このゲームは党首コマといって、普通のコマよりも大きいコマを1ゲームにつき5個使います。 この党首コマは手作りです。1つ1つプラモデル用の接着剤でつなげていきました。 全部で120個ほどの党首コマを作らねばならず、机の上はプラスチックのコマで いっぱいになってしまいました。
ゲームの量産はかなり地道な作業が多いです。

■裁断(2005年3月23日)
カワサキファクトリーの作業場を間借りさせてもらいながら、製作の大詰めをしました。
場所は国分寺の公民館。この公民館には電動裁断機があるのです。 電動裁断機を使うと約800枚のカードがあっという間に、しかもきれいに出来上がりました。 公共スペースには印刷室があり、裁断機が置いてあることが多くあります(手動裁断機が多いですが)。 こうしたスペースを有効に使うのも便利です。
裁断をしてくださったyas-oさんありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

■ゲームマーケット当日(2005年3月27日)
ゲームが売れるかどうか、期待と不安でいっぱいでしたが、 うれしいことに開始20分で「朝まで総選挙」は完売しました。
ご購入いただいた皆様、ありがとうございました。

こうして振り返ってみますと、実に多くの人のおかげでゲームができたのだということを実感しました。 ゲームに必要なのは一緒に遊んでくれる仲間であると再認識したイベントでした。



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